皆さんは、「eスポーツ」という言葉を聞いたことがありますか?
近年、メディアでも「eスポーツ」という言葉を目にするようになりました。
私の教え子でも、「大好きなゲームを仕事にしたい」と言う生徒が数名出てきました。
しかし家族や学校の先生は、eスポーツに関する知識や理解が低く、理解が得られませんでした。
結局、「日本ではeスポーツで生活することは無理なので、方向転換してゲーム制作を学ぼう」という結論に達する生徒がほとんどです。
わたしは夢をあきらめる生徒たちの姿を見て、周りの大人がeスポーツとはどういうものか学び、支援をしていかなければならないと感じました。
それでは、早速eについて学んでいきましょう。
eスポーツってなに?
eスポーツ(esports)とは、エレクトリックスポーツの略で、コンピューターゲームやビデオゲームを使ったスポーツ競技です。
1980年代にコンピューターゲームの誕生以来、たくさんの大会が開催されましたが、1990年代に入るとインターネットの普及により、ゲームのスポーツ化が進みます。
2000年代に入ると、eスポーツという言葉が使われるようになり、国際大会も開催されるようになりました。
日本では、2011年に、第1回eスポーツJAPAN CUPが開催されました。
そして2018年には、これまであった複数のeスポーツ団体が統合され、日本eスポーツ連合が発足しました。
スポンサーもつき、民間レベルでの動きは活発になってきたように感じます。
現在日本にはプロのプレイヤーが100人以上いますが、獲得賞金の額はアメリカや中国、韓国などのeスポーツ先進国に比べ格段に少ないのが現状です。
今後、日本でeスポーツが認知されるためには、国に支援が必要だと思います。
海外のeスポーツ事情
では、海外のeスポーツ事情を見てみましょう。
日本のお隣の韓国は、10年以上の歴史を持つeスポーツ先進国です。
ソウルにはスポーツ専用のテレビ局があり、同じビルの中にあるスタジアムではいくつものeスポーツの試合が行われていて、それをテレビで中継しています。
また、会場でも好きなタイトル(ゲームの種類)の試合を観戦できるようになっています。
観戦料は数百円だそうですから、若い人たちも気軽に観戦できるのではないでしょうか。
2022年に中国の杭州で開催されるアジア競技大会では、eスポーツが正式種目となることが決定しています。
元々、オンラインゲームのユーザーが多い中国では、ここ数年eスポーツ市場が急激に拡大してきています。
2003年には、早くも国がデジタルゲームを体育種目と認め、国による支援も始まっています。
2017年には、世界で最も競技者が一番多いと言われている「リーグオブレジェンド」のワールドチャンピオンシップ決勝戦が開催されましたが、その賞金総額が日本円に換算すると5億円を超えています。
アメリカには1990年代からプロゲーマーがおり、eスポーツをテレビやネットで観戦する人も急増中です。
また、高校ではeスポーツが体育競技と同様にプレイでき、優秀選手には奨学金を出す大学もでてきました。
奨学金をもらって大学に行く生徒たちが、将来、eスポーツ界の花形プレーヤーとして世界的に活躍するようになるのでしょうね。
日本におけるeスポーツの現状
eスポーツ先進国に比べ、日本の教育現場は非常に後れを取っています。
大学ではサークルとしてeスポーツをプレイできる大学はありますが、eスポーツを学べる大学は見当たりません。
海外に比べ日本での認知度の低いのですが、専門学校ではeスポーツを学べる学科を新設する動きが出てきています。
そして、高校でも今年からeスポーツコースを新設した学校があります。
このように日本でも動き出したeスポーツ人気を、より多くの人に浸透させようという企画があります。
2018年7月、毎日新聞とサードウェーブという企業が共同で「全国高校生eスポーツ選手権」を開催すると発表しました。
そしてそれに伴い、ゲーミングPCの3年間無償貸出を100校に対して行うと発表しました。
この取り組みにより、教育現場での理解が得られることを期待したいですね。
アジア大会で日本代表が金メダル!
アジア競技大会でデモンストレーション競技となったeスポーツですが、ウイニングイレブンというタイトルで日本代表が金メダルを取りました。
このニュースは、日本でのeスポーツの認知度アップに大いに貢献したと言えるでしょう。
将来、日本でも環境が整い、あなたのお子さんが「ぼくeスポーツ部に入る」と言ったときには、ぜひ応援してあげてくださいね。