目次
大学入試の種類
大学入試には、一般入試、公募推薦入試、指定校推薦入試、AO入試などがあり、受験の時期も形態も違うので、それぞれの入試の特徴を説明していきましょう。
指定校推薦
指定校推薦とは、高校内で選ばれればほぼ100%合格が決まるというものです。
ただし指定校推薦は私立大学にしかありませんので、国公立大学を志望している人は、一般公募推薦入試を受けることになります。
《入試までの流れ》
6月~7月 三者面談で志望校と入試方法を確認
夏休み中 高校の推薦会議で推薦者を決定
11月初め~ 出願
11月中旬 入学試験
11月下旬頃 合格発表
指定校推薦は、ほぼ合格できるとは言っても、入学試験を受けなければなりませんし、高校側としても翌年も継続して指定校枠をほしいので、入学後の授業について行ける学力がないと推薦はしてくれません。
通知表の評定平均や遅刻欠席などの校内推薦基準が決まっている場合もあるので、入学時に確認しておきましょう。
また、学校の定期テストだけでなく外部模試の結果も推薦条件になっている場合があるので、しっかりとした結果を残すことが大切です。
AO入試
アドミッション・オフィス入試の略で、大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に基づいて選抜する入試方法です。
一般的には、面接や小論文、課題についてのレポートなどが課されます。
得意な分野についてのプレゼンテーションやレポートに自信がある場合には、AO入試が最適だと思います。
推薦入試と違うのは、評定基準が設定されていない場合が多いので、やる気があれば誰でも受けることができることです。
《入試までの流れ》
6~7月 三者面談で志望校と入試方法を確認
8月~ 出願
8~9月 入学試験
9~10月 合格発表
AO入試は出願が早いため、小論文の対策などを早く始める必要があります。
AO入試で不合格だった場合の一般入試対策もしておく必要があるので、受験生の負担が大きくなることを覚悟しておきましょう。
公募推薦
書類審査、小論文、面接や口頭試問などによって、合否が決まる入試です。
各項目の配点は大学ごとに違いますが、書類審査の中の通知表評定平均が3.5や3.8以上というような条件が付いていて、4.3以上だとより有利になります。
また、部活動や研究などで全国大会レベルの成果を収めたり、部長や生徒会長などの経歴もアピールポイントになります。
《入試までの流れ》
6月~7月 三者面談で志望校と入試方法を確認
夏休み中 高校の推薦会議で推薦者を決定
11月初め~ 出願
11月中旬 入学試験
11~12月上旬頃 合格発表
一つの高校から推薦する人数が決まっている場合があるので、進学校では高校内の推薦を勝ち取ることが大変になります。
一般入試
センター試験や大学独自の試験など、1月から3月まで行われる学科試験。
学校によって、教科、配点も様々なので、各大学の入試要項を確認する必要があります。
2020年からは大学入試が大きく変わりますが、それについては、別の機会にお話しします。
大学入試の成功例
高校入学時330点 A君の場合
地元で4番手までの進学校には点数が50点足りないため、評定が甘い私立A高校を勧め入学。
理系科目は苦手だが、歴史が好きだったため大学進学を希望。
文化系の部活の部長を務め、全国大会出場を果たし、漢字検定も2級を取得。
高校では進学クラスの最下位だったが、評定は4.3をもらい、公募推薦で地元国立大学人文学部を受験。
入試3ヶ月前から小論文対策を徹底的に行い、見事合格。
高校入学時400点 Bさんの場合
県内トップ校を狙うも、試験当日、国語と英語で失敗し、私立A高校に入学。
入学当初から、定員1名の私立W大学の指定校推薦に目標を定め、評定アップに努める。
文化部の部長を務め、学校生活を楽しみながらオール5の成績を収める。
校内推薦を勝ち取り、W大学合格。
高校入学時440点 Ⅽさんの場合
県内トップ校を狙うも、入学後の学習スピードに不安を感じ、2番手の公立高校に入学。
比較的緩い運動部に入り、文武両道の学生生活を送る。
要領は悪いが、努力が実り、旧帝大の国立大学に推薦入試で合格。
高校入学前にすべきこと
①高校卒業後の進路をしっかり考えて、自分の志望大学への合格者を出している高校をリストアップする。
②塾の説明会や高校のオープンキャンパスに行き、学校の雰囲気や進学実績、大学への推薦条件を確認する。
③過去問題を解いて、なるべく高得点を取り、希望クラスに入れるよう努力する。
➃合格から入学式までの間にしっかり高校の予習(特に英数)を行い、高校スタート時に出遅れないようにする。
お母さんがすべきこと
よく、「うちの子は人と話すのが苦手なので、推薦は無理です」や「コツコツやるタイプではないので、高校に行ってもやらないと思う」と言うお母さんがいますが、目標が定まり本当に行きたい大学が決まれば、お子さんの行動も変わってきます。
大学で学びたいことや将来就きたい仕事などについてご家庭で話をして、お子さんが夢を持てる環境を作ってあげましょう。
そうすることで意欲がわき、必要な時期には学習にも取り組むことができるはずです。
でも、大学のことや学習についてくどくど言っても逆効果です。
実際、さきほどお話しした3人の生徒のお母さんは、どちらかというと放任主義でした。
A君の家族は、一家で観戦するサッカーファミリー。
Bさんのお母さんはおっとりしてちょっと頼りないため、Bさんが何でも自分で決めるタイプ。
Cさんのお母さんは仕事が忙しく、Cさんや弟のことを細かく気にしている時間がないご家庭。
これらのご家庭のように、ご両親が押し付けるのではなく、好きなことを応援してあげる方が、お子さんは伸び伸び育ち、希望をもって進むことができるのです。