こんにちはハッピーです。
「旅猫リポート」を読んで、ミーコという猫のことを思い出しました。
ミーコは、旅猫リポートのナナと同じ野良猫出身、しかもカギ尻尾、そして人間の言葉がわかってた(はず)なのです。
野良猫ミーコと一緒に暮らす
ミーコは、25年ほど前、我が家に迷い込んできた雌猫です。
わたしは子どものころ、友人宅の猫に引っかかれてからというもの、猫が苦手だったのですが、うちの主人は大の猫好きで、小さな野良猫だったその子にえさをあげているうちに、我が家に居つくようになりました。
ミーミー鳴くので「ミーコ」という安易な名前をつけましたが、これが人懐っこい猫で、だれが来てもすり寄っていくため、近所の人たちだけでなく郵便屋さんや宅配のお兄さんなどみんなから可愛がられていました。
我が家に幸せを運んでくれたカギ尻尾
数年後、我が家に息子が生まれました。
息子はとても臆病な子で、犬はとても怖がりましたが、ミーコのことは大好きでした。
わたしが仕事に行き、義母が家事をしている間、ミーコが遊び相手になってくれたことも多かったようです。
1歳半くらいの時、よく庭でミーコの背中に砂をかけて遊んでいましたし、2~3歳くらいの時はミーコの背中にまたがっているところをときどき見かけました。
そんな時、猫は嫌がって逃げてしまうものでしょうが、ミーコは家族の誰かが止めるまで息子のするがままにさせていました。
きっと、息子を見守るお母さんのような気持ちでいてくれたのだと思います。
その後ずっと息子の成長を見守ってくれたミーコですが、息子が小4の時、体調が悪くなり食が細くなってしまいました。
そして、動物病院に連れて行こうと話していた矢先、家から姿を消してしまったのです。
家族全員で近所を探しましたが、どこにもいません。
そして、もうあきらめかけた2週間後、ミーコが帰って来ました。
いなくなった時より痩せこけ、毛も抜けてぼろぼろになったミーコを見てみんなで涙を流しました。
動物病院にも連れて行きましたがぐったりしていて、夜は息子と私が一緒に寝ました。
翌日、しばらく通院が必要だと息子と話をしていた矢先、ミーコは急に玄関に向かって走り出しました。
私たちは聞こえなかったのですが、主人が帰って来た気配を感じたのか、主人が玄関を開けた瞬間に、足元をすり抜けて外へ逃げ出してしまいました。
追いかけましたが、ものすごいスピードで走り去ってしまい、見つけることができませんでした。
そして二度と戻っては来ませんでした。
猫は具合が悪くなると姿を消してしまうと聞いたことがありましたが、まさかミーコがあんな行動をとるとは思いませんでした。
でも、一度は姿を消したのになぜ戻ってきたのでしょうか。
きっと私たちが心配して探し回っていたのをどこかで見ていて、申し訳なく思ってのでしょう。
そして、一晩一緒にいてくれて思い出を作った後、最後の力を振り絞って走り去ったのだと思います。
ミーコが具合が悪くなる半年前に義母が亡くなりました。
認知症で自宅介護から施設入所、病院への入院などを繰り返し、私たち家族は数年間の介護生活をしていました。
さらに、息子が発達障害のための検査やカウンセリングが始まり、親子ともに不安定な状態でした。
ミーコはそばでそれを見ていて、自分まで迷惑をかけられないと思ったに違いありません。
そして、最後にきちんとさよならを言ってから身を隠そうと考えて、一度戻って来てくれたのだと思います。
あんなに賢い猫だったのですから、人間の言葉も家族の状況もわかっていたに違いありません。
今でも、あの時のミーコを思い出すと涙が出ます。
息子も大人になりましたが、ミーコのおかげで大の猫好きに育ちました。
ミーコがいなかったら、動物との触れ合いを知らずに育ってしまったかもしれません。
我が家では、ミーコという名前は賢い猫の代名詞になっています。
澤田かおりさんの曲が泣けた
一昨年、あるコンサートで、澤田亜矢子さんのお嬢さんの澤田かおりさんの「ノワール」という歌を聴きました。
それは、澤田さんが飼っていた猫のことを詩にした歌でした。
わたしはミーコを思い出して涙があふれてしまいました。
そして、隣にいた息子も泣いているのがわかりました。
それ以来、澤田さんのファンになり、「ノワール」が収録されているアルバム「FRONTIER(フロンティア)」を買いました。
猫好きのみなさん、よかったら「ノワール」聴いてみてください。